第三次選考結果

日本ラブストーリー大賞」の三次選考会は、3名の書店員さんが第二次選考通過作品10作を読み込み、ディスカッションする形式で行われました。結果5作品が最終選考にノミネートされました。

『一秒でも長く君と同じ世界にいたい』かわなべ かろ
選評


『カルナ』長月 雨音
選評


『守護天使』上村 佑
選評


『夏の雪兎』高田 在子
選評


『style』広木 赤
→ 選評


落選作についてのコメント

「日本ラブストーリー大賞」の三次選考会は、3名の書店員さんが第二次選考通過作品10作を読み込み、ディスカッションする形式で行われました。

 3時間を超える議論の結果、5作品が最終選考にノミネートされました。それぞれのノミネート作品については、素敵なPOPつきの選評がありますので、ここでは惜しくも選に漏れた作品について、委員の意見をざっとを紹介します。

 『イエローチューリップ』は、「ウェディングプランナーとして働く女性の状況や心理がよく描けている」という評価の一方、「ストーリーを引っ張る元カレの失踪というモチーフがうまく生かされていない」といった点をそれ以上に多く指摘されました。

 『エンドレス・エンド・レス』は、「13歳の少年と29歳の女性との愛」という題材のインパクトは評価されながらも、「年上の女性を愛する少年という設定の肉付けにリアリティが感じられない」という難点も指摘されました。

 『ハナビ』には、長い議論が交わされました。江國香織氏の作品に似た文体は、「読みやすい」と評価される一方、「それだけに、マーケットに出たときに差別化が難しい」との結論になりました。「既存の作品を思わせるような作風を脱し、真のオリジナリティを追求した新作を読ませてほしい」というメッセージが寄せられました。

『プッチ』は、結末の処理に関する難点に議論が集中し、映像的な描写や意表をつく設定などの美点もそれに勝りませんでした。

 『我が恋は炎なりき』は、作品そのものの重量感とインパクトは評価されたものの、ラブストーリーとしての完成度は薄く、主人公以外のキャラクターの肉付け(特にヒロイン)には物足りないものを感じたという点が指摘されました。