第8回日本ラブストーリー大賞1次通過作品

『エロガッパちゃん』/むらき ゆく

あらすじ

ツインテールで胸の大きな女子高生、佐橋里美の正体は岐阜の河童族の生き残り。病で死んだ父親の遺言を守るために河童であることを隠して人間界で生活をしている。ある日、弱小相撲部のマネージャーをしている里美のもとに、次の大会で勝てなかったら即廃部との通告が学校から届く。ただでさえ少ない部員に不可解なケガが相次ぎ、一時は大会への参加も危ぶまれたが、大好きな主将のために里美はとうとう土俵に上がる決断をする。結局、勝負には負けたが大観衆のなかで奮闘する里美の姿が感動を呼び相撲部は存続することに。そして大会の後に明かされる数々の真実。一年後、里美が父親の遺言を守るべく選んだ道は、河童も人間も幸せに生きていけるまさかの新しい生活だった。


評価・感想

妙に中毒性のある作品です。河童たちと人間の愛のありかたが、あっけらかんとした斬新さにあふれていました。主人公の里美の立ち回りがすばらしく、テンポよくストーリーが展開している一方、相撲部の主将の魅力をもっと書き込まないと里美が土俵に立つ説得力が薄くなってしまいます。また、会話に力が入っているぶん、状況の描写が薄くなってしまい場面移動がわかりづらいところがありました。伏線になるところもあっさりと書かれているので、しっかりと匂わせたほうがあれこれと予想する楽しみが一段と増えるでしょう。今回が初めての作品のようですが、漫画家のアシスタントのご経験もあり読者を楽しませるストーリーのポイントをよく掴んでいらっしゃると思います。タイトルはカッパを入れないほうが先入観なく楽しめると思います。

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