第二次選考あと一歩作品

『わたしが愛した宇宙人』 ゆーう

 上司で恋人だった春人にフラれたことをきっかけに、入社3カ月にして「わたし」は突如自主退職する。「わたし」がビアガーデンで泣きながらヤケ酒していると、フルフェイスのヘルメット、タイガーマスク、馬の頭の被り物を被った男たちに話しかけられた。彼らは互いに抱える「恋の悩み」を、顔と素性を隠して相談したり、慰め合ったりする会のメンバーだった……。
 奇妙な被り物をした人物たちがビアガーデンに集結するというシーンに心をつかまれた、という選考委員が多数いましたが、その後のそれぞれの恋愛譚がだらだらと長く、「出落ち感が否めない」という厳しい意見も多く、今回は通過には至りませんでした。「設定が秀逸なだけに、構成の甘さがとても残念」という意見もあり、アイデアに負けない構成力、表現力を身につけることが課題かもしれません。

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