第二次選考あと一歩作品

『だいたい僕たちは彼女のことで悩む』 草下 シンヤ

 「よもやま出版」という零細出版社を舞台に、彼女とのセックスで射精に至らないことで悩む青年・新堂、ちょっと変わった身体の妻をもつ編集長・熊谷、波瀾万丈の人生を歩んできたベストセラー作家・鮎川と、それぞれ「彼女のことで悩む」男性を3章にわけて描いた物語。
 その高い筆力は多くの選考委員が絶賛し、「いろいろな作品を描けそうなセンスにも期待できる」「ほかの作品も読みたい」という意見もありましたが、3章立てになっているからか、いまいち読みごたえに欠け、「第1章を掘り下げて書いてほしかった」「第2章だけファンタジー的な設定で違和感を感じる」等、作品の構成自体を疑問視する意見も多く、今回は通過には至りませんでした。

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