第二次選考あと一歩作品

『双曲線ハッピネス』　東堂 光希

　イケメンのオタク系草食男子・勇魚は、親友に恋人を寝取られ、失意の底から抜け出せずにいた。勇魚の双子の妹・真魚は、同性愛、それも実の伯母との恋に苦しんでいた……。
　それぞれの恋に悩む双子の浮き沈みの双曲線を描いたこの作品は、リアリティとエンターテイメント性のどちらを評価するかという点で論議となりました。勇魚と真魚のふたりの恋愛模様はそれぞれ読みごたえがあり、小説としては楽しめるレベルにありますが、美男美女ばかりの登場人物や、女性同士の近親相姦という点についてはリアリティが感じられないという意見も多く、また、設定ありきになってしまっていて、そこにリアリティを感じさせるための見せ方が見えないという厳しい意見もあり、今回は通過には至りませんでした。

→ 一覧に戻る