第二次選考あと一歩作品

『鬱くしき人々のうた』 秋山 健太郎

 結婚後、ぶくぶくと豚のように太る妻に愛情が持てなくなってきた主人公・丹下三平。そんなとき、高校の同級生から、三平が高校のときに好きだった本間みちるが自殺したという知らせを受ける。みちるの死の理由について考えていた三平のもとに突然、悪魔・フリンが現れ、三平を過去に戻してくれるというが……。
 コミカルな展開や悪魔・フリンのキャラクター設定に高評価が集まり、コメディ小説としてもきちんと自分の文体を持っていると、文章力にも好意的な意見が多く出ました。が、「全体的に短いので読みごたえにかける」「後半にかけて尻すぼみしていってしまった」等の意見もあり、アイデアに頼るだけではなく、人物の心情表現や情景描写などをもっと書き込むことでより読みごたえのある作品が書けるようになるのではとの結論から、今回は通過には至りませんでした。

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