第二次選考結果作品詳細

『ワリナキナカ』 沢木 まひろ

 原宿のヘアサロンで働く美容師・暁(あき)と、偶然知り合ったビル清掃員・祐輔の、不器用で激しい恋の物語。
 幼いころの経験から家庭を持つことに臆病な暁が、未来に縛られないセックスフレンドを多数持っているという、いわゆる“セフレ”をテーマに恋愛小説を描いた点については、「暁がセックス依存症になった理由がいまひとつ伝わらない」という意見もありましたが、「誰かに必要とされたいという欲求が幼少期に大きかった子供は、大人になってからセックス依存症に陥る傾向がある」という分析もあり、説得力のあるものという結論に至りました。
 前半は暁、後半は祐輔の視点で描かれていることに関して、視点を変える必要があるかどうかという論議にもなりましたが、本作の場合は視点を変えることでより作品に深みが出ているという結論となりました。また、官能的なシーンが上手く描けていることにも高い評価が集まり、通過となりました。

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