第一次選考あと一歩作品詳細

容姿にコンプレックスを持っていて恋人にも恵まれない内気なショウタロウが、肉体を持たない宇宙人とのプラトニックな愛を交感させることで自信を取り戻すという物語。

着想は面白いが、SF的な設定の作り込みが甘いために説得力に欠ける。たとえば、主人公が漂流した末にたどり着いたポネ星と、帰還した地球で流れている時間がなぜ一致しているのか、読者を納得させる説明はない。SFという題材は、そうした細部のディテールが重要なのである。

また、セリフも幼稚で、登場人物たちの心理的葛藤に深みを感じられないのも難点。次作は、面白いセリフまわし、深みのあるキャラクター、リアリティのある（読者の共感を呼ぶ）舞台設定・世界観を狙って書いてみてほしい。