第一次選考通過作品詳細
『Last Tears』 柳原 孝好
あらすじ
学園のアイドル的存在でありながら、恋より「油揚げ」に異常な愛情を傾ける未紀。高校生ながら家業の豆腐店を継ぐことになった葉月。ひょんなことから知り合ったふたりは、葉月の家業ゆえに急接近するが、葉月の未熟さから店は左前に。懸命に店の立て直しに取り組む葉月。そんななかで、お互いへの愛情を確認する葉月と未紀だが、名家である未紀の家は、ふたりの交際を許さない。ふたりはこの障害を乗り越えることができるのか? その鍵になったのは、なんと……。
評価・感想
会話のタッチなど、いまふうのライトノベルとして評価。ラストは、わりあいトンでもないのですが、このトンでもなさが、むしろライトノベル的な面白さをかもし出しています。豆腐店という舞台設定もなかなか味があって楽しく読めました。深いテーマ性はありませんが、自らの運命をきちんと受け止めて懸命に生きようとする葉月の素直さには共感できます。未紀も天然系で、可愛らしい。会話、キャラクター設定、すべてが漫画チックで評価の分かれるところだと思いますが、個人的には、葉月の江戸っ子っぽい語りは好きです。ゲームやコミックに慣れた世代には受け入れられやすいのではないかと判断しました。
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