第二次選考結果作品詳細

『禽獣』 藤宮彩貴

 新撰組局長・近藤勇の妾でありながら、副長の土方歳三に片思いをするヒロイン、おこう。タイトルは、実直で優しい近藤の妾として強く守られていながら土方に弄ばれるおこうの姿はまるで「禽獣」のよう、という意図からつけられたようです。
 選考会では、史実をもとに小説を描くのは相当の力量がいるという指摘のもと、新撰組という難しいテーマを組み込んだことについては「三角関係を描くのならば、あえて新撰組にしなくても現代劇の設定でもよかったのでは?」という意見や、「新撰組というイケメン集団のなかにいるという設定を生かしきれていない」という指摘もありましたが、「ふたりの男性のあいだで揺らぐ女性の心理がよく描けている。史実にも忠実で、新撰組ファンを裏切るものではない」という意見も多く、また作品の完成度の高さも評価され、通過となりました。

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