第一次選考あと一歩作品詳細

『サンイチイチ、ぎゅっシヨウヨ。あの日を忘れない』 結李花


あらすじ&コメント

宇野美砂樹(33歳)、血液検査技師として病院勤務。高梨なぎさ(45歳)、建築士。元上司だった20歳年上の夫と設計事務所を経営している。その夫は脳梗塞に倒れ、半身まひの体。星宮奈美子(52歳)、市役所勤めの夫、その両親と高校生のひとり娘と暮らしている。

その日3月11日、三陸は大地震のあと、巨大な津波に呑み込まれた。野戦病院と化す美砂樹の病院、夫が津波の犠牲となるなぎさ、義父母の生死が知れず高校生の娘の妊娠を知る奈美子。そんな混乱のなかでも、3人にはそれぞれ会いたい男がいた。“その日”を生き延びた3人は、いま、すべてをかけて会いたい男のもとへ走る―――。

人はどうすることもできない状況に陥ると、いろいろなものから解放されるのでしょう。キレイごとではなく、ただ生きていてよかった。という彼女たちの思いがとても伝わってくる作品でした。久しぶりに小説を読んで泣きました。

個人的には響くものがありましたが、読者を選ぶ作品かなと思いました。

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