第ニ次選考あと一歩作品詳細
『Winding Road(ワインディングロード)』 水嶋 静
『ワインディング・ロード』は、40代でバイクの免許を取ってツーリングに出かけたキャリアウーマンの主人公が、旅先で出会った大学生と恋に落ち、人を愛する経験を経て自分を見直していく物語。
「情味豊かな美しい文章が印象的で、安心して読めた」、「二人が思いを寄せ合っていく過程、肉体関係なども美しく切なく表現されており、気持ちよく酔える作品」と、小説としての完成度には高い評価が寄せられました。ところが、ほとんどの選考委員が指摘したのは、「イケメンで完璧な男性の瞬が、なぜ20歳も年上の女性に恋をしたのか?」という点があいまいである点。この唯一の欠点が原因となって物語の求心力をうばってしまったとの感想が多く寄せられました。「経理課長として新プロジェクトに参加したヒロインが、部下を率いて改革案をとりまとめ、同僚たちと信頼関係を築いていくプロセスにはちょっとした企業小説の面白さがある」との評価もあり、長い議論が交わされましたが、通過には至りませんでした。
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