第ニ次選考あと一歩作品詳細

『琥珀』 石田 みのり

 『琥珀』は、重い病をかかえ、かろうじて命を維持しているヒロイン琥珀に恋した久我原亮が、一度は琥珀を失いながらも自らクローン技術の権威となることで彼女を蘇らせる物語。
 「ファンタジー小説というくくりでは収まりきらない、独特の世界観を持っている」、「日常のベタな恋愛を描いた作品が多い中で、恋愛小説に不可欠なロマンティックさに富んだ作品」と、その題材の選び方に高い評価が集まりました。その一方、「意図してのことではあろうが、文章がやや修飾過剰で、言葉が浮いている場面がある」、「生徒会のメンバー、亮の家族、もと彼女の関係者、琥珀の家族など、短い話の中にかなりの数の人物が登場するが、これを書き分けるのは難しい。残念ながら、この作品ではそれがマイナスになってしまっている」、「美文調の重い地の文に比べて、日常会話風の軽いタッチのセリフがマッチしていない」などの意見もあり、通過には至りませんでした。

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