第ニ次選考あと一歩作品詳細

『狂気のサクラ』 火口 あきら

 『狂気のサクラ』は、女癖の悪い男に恋してしまったヒロインが、男への恋心をもてあまし、苦悩しながらも、男と決別するまでの物語。
 「抑えた筆致ながら、地方都市の人間関係の狭さ、ヒロインの狂おしい情念がよく描かれており、読みごたえがあった」、「惚れた弱み、報われない恋の切なさがリアルに表現されている。ふと我に返って自分を客観的に分析する独白もビシッと効いている」との評価が集まりました。が、その一方、「無駄な登場人物も多く、キャラクター描写の欠如が目立つ」、「だめんず男への思いをふっきるヒロインの心情が説明不足で、ホスト男性による救済という結末にも納得がいかなかった」との意見もあり、通過には至りませんでした。

一覧に戻る