第二次選考通過作品詳細
『さよならアンドロ』 小夜 時雨
『さよならアンドロ』は、幼なじみの希一に対して強烈な愛を注ぎ続ける真奈美の絶望的な心理と、その強烈な愛が一方的で独りよがりなものに過ぎなかったことを知るどんでん返しの物語。
「後半のどんでん返しに向けて物語を構成し、伏線を張り、説得力をもって語っていく手腕は見事。どんでん返しの部分では本当に驚かされた」と、小説としての完成度が高く評価されました。その一方、「後半で彼女を救うのが金持ちの男という点が多少安易に感じた」、「真奈美と希一の異常な近親関係を作ったそれぞれの両親のキャラクターが描けていないため、物語に説得力がなくなってしまったのが惜しい」との指摘もありました。また、「ハッピーエンドで終わるものの、前半が異常な愛で貫かれているために読後感がよくない」との指摘もありましたが、どちらも落選とするまでのマイナス点にはならず、通過作品となりました。
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