第一次選考通過作品詳細

『Winding Road(ワインディングロード)』 水嶋 静

 42歳の理央はバツイチのキャリアウーマン。40歳を過ぎて自動二輪の免許を取った彼女はひとりでツーリングに行くのを楽しみにしていた。ある日、ツーリングに出かけた箱根で建築家を目指す大学生の瞬と出会い、一夜を共にする。そのことを機に、年の差を越えて愛し合うようになるふたり。ついには瞬からプロポーズされる。が、そんな折、瞬が事故に遭い、障害者となってしまう。理央のためを思い、結婚を白紙に戻し、瞬はアメリカへ旅立ってしまい……。


選評

 言葉選びのセンスがよく、文章がキレイで読みやすい。あらすじもありきたりではなく、著者らしいオリジナリティが感じられたし、最後まで破綻することなく紡がれていて、スッと読めた。もしこれが処女作とするならば、かなり小説を読み、勉強している人だと思う。「ラブストーリー」という点でもポイントが押さえられていて、理央と瞬が初めて抱き合うシーンや、再会したふたりが激しく肌を合わせるシーンなど、美しく切ない。何度もキュンとさせられた。ベタなハッピーエンドにしなかった点も評価したい。

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