第一次選考あと一歩作品詳細

『ポストマン』 向井 万太


選評

少年少女の夏休みの冒険をうまく絡めながら彼らの幼いなりの視点を通じて、亡くなったお母さんと残された家族の今も残る愛情が描かれる。その愛情は、いつしか、主人公の現在にオーバーラップする。非常に読後感がさわやか。よくある題材を扱っているだけに、パターンが読めてしまうが、それを思わせないほどの人物造形や描写が欲しかったのは残念。

一覧に戻る