第二次選考通過作品詳細

『りんご郵便』 平原 ことは

青森県三沢市の小学校に赴任してきた新米教師、由美。2年間付き合った恋人には別れを告げられ、ほのかに憧れていた同僚の松島先生には友達を紹介されて、と失恋続き。教師としての日々を過ごすうち、次第にいつも一緒にいて助けてくれた工藤先生への思いがふくらんでいく。 しかし工藤先生は他の学校へ異動することに。意を決して自分の気持ちを伝えようとした矢先、他の同僚と結婚することを知る。


選評

『りんご郵便』は、青森県の小学校を舞台に、赴任したばかりの新米教師の女性が、同僚教師の間でゆれ動く恋愛を経験するという、牧歌的な味わいのある作品です。
 「職員室という閉じられた世界の中だけで起こる恋愛劇という点は、欠点でもあり、面白い点でもある」(梅村)という指摘の通り、賛否両論がありました。 「バスでの乗り物酔いを描いたシーンなど、小学校教諭ならではの視点が面白く、ほのぼのとした情感を感じさせる。しかし、それだけに地味な印象も否めな い」(高嶋)、「職員室のメンバーが大阪に旅行するシーンがあるが、舞台が変わっても職員室という閉じた世界観にまったく変化がないという設定は面白い。 が、作者がその面白さを意図して描いたとは思えない」(広坂)など、作風を評価する一方で、この作品を強く推す要因がないのは残念な点でした。ちなみに、 ささいなことですが、登場人物がすべて「○○先生」と呼ばれるため、性別がわからず混乱するという指摘もありました。
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