第一次選考通過作品詳細

『あの日見た光』 時友

舞台は昭和54年。太平洋戦争中、親友を南海の島に置きざりにしたという過去をかかえるカメラマンが、出版社から戦争を振り返る本への協力を依頼される。一度は固辞したものの、病床の妻のことばに封印していた過去に踏み込む決意をする。傷ついた魂の彷徨と再生の物語。


選評

読みながら何度も泣きました。戦争物だというのに押しつけがましいところがなく、自然に戦争について考えさせられた。広島、沖縄、南の島(架空?)と舞台 は移っていきますが、それぞれに割くページ数もバランスがよく物語が緊張感を失うことがありませんでした。重いテーマを扱いながらちゃんとラブストーリー に仕上げている手並みに非凡なものを感じます。 マイナス点は、いい人しか登場しないということと、文章がまだまだ未熟な点。特に後者をどう評価するかだと思います。

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