第一次選考あと一歩作品詳細

『十字架の記憶』 佐藤 洋子


選評

伊達政宗への思い入れ、日本におけるキリスト教布教とキリシタンの弾圧について徹底的に調べて書いていることが物語からも伝わります。しっとりと、美しくまとまった作品でした。仙台藩の切支丹武士・後藤寿庵の娘のゆきと、宣教師ジュリアンの許されない恋、仙台藩の武士・中川誠四郎と木村立之助のゆきへの片思いが描かれていますが、悪役の木村立之助以外の登場人物がみんな穏やかで慎み深く、禁断の愛と宗教弾圧をテーマとしていながら緊迫感、盛り上がりに欠けている印象を受けました。

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