第9回日本ラブストーリー大賞 1次選考あと一歩の作品(21)
『翳に溺れて』/紫紀
あらすじ&コメント
結婚を間近にしながらHIROというホストを愛してしまった沙緒里が、嘘の世界の中で心身ともに墜ちていく、バッドな物語。次はどんな不幸が待っているのかと引きつけられた。だが、後半に至ると不幸の設定に無理が生じて物語が破綻してしまった感がある。婚約者の雄之と、その母の道子は、ただヒロインをいじめるために作られたロボットのような人物で、行動や感情が人間ばなれしている。また、後半から視点が沙緒里から離れ、他の登場人物へコロコロと移動してしまうのも読みにくかった。