あと一歩【6】

キューピッドの花束/たきもとひさえ

街の小さな花屋「アモール」は、風変わりなサービスをしている。それは、恋の告白代行、通称コクリ屋だ。この店で働く絵実は、コクリ屋として片思いに悩む人の手助けをしていた。ある日、店に感じの悪いイケメン真矢野がバラを買いにやってくる。彼の正体は「別れさせ屋」。「恋愛には価値がない」と冷淡な発言をする真矢野に腹を立てる絵実。しかし、真矢野が「別れさせ屋」を始めた理由は、実の姉があるストーカー事件に巻き込まれたからだった。真実を知り、真矢野に惹かれ始める絵実。そこに別のストーカー事件が発生し、事態は意外な方向へと向かう。

ライトでキャッチーな設定はとても魅力的でした。漫画的なキャラクター作りも、ストーリーに合っていたと思います。ただ、肝心のキャラクターには少し疑問が残る部分が多く、共感性という意味ではいまひとつ。また、オチも弱いため、拍子抜けしてしまった感が残るのも勿体無い点でした。物語を構築する力と、アイデアはまだまだ沢山持っていそうな作者なので、どんどん作品を生んでいって欲しいと思います。次回作に期待します。