あと一歩【13】

航海~空と海の見果てぬ夢/西條澄香

あらすじ&選評

時は大航海時代のヨーロッパ。スカンディナヴィアの王冠を狙う海賊アルプは、海でスカンディナヴィアの王女シリルと王子レオンと出会い、アルプは海に落ちたレオンを、王冠を逃してまで助ける。時が経ち、恩人であるアルプを探しに、海賊を名乗って航海に出たシリルとアルプの姉弟だったが、アルプは名を隠して英国の海軍准将となっていた――。 

史実をもとに、元海賊と王女との恋愛や家族愛を描いた壮大な歴史小説。時代背景の説明やキャラクターも上手に描かれていて、物語の世界観に引き込まれました。反面、時代やテーマが独特なものなので、ある程度読者が絞られてしまう点を懸念し、あと一歩としました。次回作に期待します。