• 『リメンバー』 峯村 豊
  • あらすじ
  • 北澤一朗は、フィットネスクラブで知り合った高村泉に恋をする。

    一朗はIT関連の会社に勤める32歳、泉は一朗より3歳年上。職業は裁判官だ。一朗は努力の甲斐あって、やっと泉とデートの約束をとりつけた。

    そんな折、泉のもとに不審な手紙が届くようになる。ストーカーまがいの手紙の主は、かつて泉が裁判を担当した自己破産者のようだ。警察に相談した泉は、捜査の結果を聞いて愕然とする。一朗も7年前に自己破産し、その裁判を泉が担当していたというのだ。警察は、ストーカー行為の容疑者は一朗と決めつけている。一朗は自分の過去と事情を彼女に説明しようとするが、泉は動揺し一朗からの電話を切ってしまう。

    泉の身が心配な彼は、彼女をストーカーから守り、その正体を暴こうと手を尽くす。それでも泉と連絡を取ることはできず、関係は修復されそうもない……。

  • 評価・感想
  • 若い男性の日常と心情が素直に綴られ、とても好感がもてました。IT企業で働く一朗の立場やトラブルを解決していく様子なども、門外漢にも分かりやすくて読みやすいです。

    ストーリー展開も上手ですが、一朗の過去の辛い出来事や自分の経験から、いまは良くてもいずれまた悪いことが起きるという諦観にも似た悲しい思い、それが物語をうまく牽引しています。両親を失った孤独と仕事場での頼りになる仲間との温かい関係も感情豊かに描かれていて胸に迫り、思わず泣けました。優しい気持ちに包まれる、よい作品だと思います。

 
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