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- 『むいてないふたり』 朝香式
- あらすじ
- 名古屋の画廊に勤める未知果は妻子持ちの「恋人」と不倫関係を続けているが、一大決心をして別れ話を切りだす。互いに好きだけれども一緒にはなれない、ふたりはあまりに不器用で、こうした危うい関係を続けるのに「むいてない」。納得ずくで別れたはずのふたりだが、すぐに元の鞘に。別れなくてはならないのに別れられないふたりの恋を、ふたりの出会いや40代を目前にした未知果が結婚に踏みきれない理由、お忍びデートなどのエピソードをまじえながら、未知果が再び別れを決意するまでを描く。
- 評価・感想
- 他人に言えない恋をしているだけで、大きな事件が起こるわけでもない日常を坦々と描きながら、恋の甘さも苦さも巧みに描き出す手腕には確かな表現力を感じさせる。ストーリーにおいても、「恋人」の意外な正体を絶妙のタイミングで明かすところなど、なかなかの手練れと感じた。
アラフォーの不倫話というとドロドロとした愛欲の物語を連想しがちだが、未知果も「恋人」も愛すべき人柄に感じられて、読後はどこかほのぼのとして優しい気持ちになれるのも本作の魅力のひとつだろう。