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- 『夏のロビンソン』 成瀬 雄太
- あらすじ&コメント
- 自分を見失った大学生が見る不思議な夢と現実とを交叉させながら、ふたつの青春を魅力的に語っています。どこか懐かしい夏祭りの情景、甘酸っぱい初恋の予感、疾走感あふれるバイクの旅、とワクワクさせる場面の連続で、ここまで引っ張っておいて夢オチだったら怒るぞなどと思いながら、最後まで読んでしまいました。ラストは伏線をきちん回収して見事にまとめてあります。
難点は、ヒロイン・楓の美少女ぶりの形容がステレオタイプなこと、主人公のバイト先の上司のセリフがくどいこと、エピローグはもう少しスッキリとまとめたほうが、余韻が残ってよかった、という程度です。落選理由は、本作品の主題が恋愛ではなく、青年の自立の物語だからです。この筆力で、ドキドキするような恋物語を書いてくれたらよかったのに、と残念に思います。