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- 『顔のない王子さま』 村上 桃子
- 選評
- 映画製作の専門学校で出会った若者たちが、それぞれに夢に挫折し、時に傷つけあいながら、大切なものを探していく物語。若者言葉を巧みにつかい、現代的な作品に仕上がっています。ただ、「僕」という一人称で語られる地の文には評価が分かれるでしょう。短文を重ねてリズムやスピード感を出そうという意図はわかるのですが、「活字」として読んでいると、むしろ、単調さを感じます。結果として、シーンが目に浮かぶにもかかわらず、それがひとつの物語としてつながり、盛り上がりきらず、後半になると、退屈さを覚えました。個人的には、ニュアンスがなく、薄っぺらな印象。テーマ自体にはドラマ性があるので、残念。