第二次選考あと一歩作品詳細
『ブルーの金魚』 鈴木 利一
『ブルーの金魚』は、13歳で亡くなった姉の書いた小説を見つけた少女・凛の様子と、その姉の書いた物語を作中作として展開させた意欲的なファンタジー。
「家族を亡くした者が抱く罪悪感や、それと同時に心に広がる思い出を自然に読めるよう、とても丁寧に描いている」、「文章力があり、人や物に対する優しい視点に好感が持てる」、「風景や状況の描写が達者で、読み手をファンタジーの世界にうまく引き込んでいる」、「20歳の著者の若い感性がギュッと詰まったファンタジー」等、童話のような優しいタッチの物語を、20歳という若さで描けていることを賞賛する声があがりました。
いっぽう、「ファンタジー色が強く、恋愛は取ってつけた感あり」、「もっと現実に即したラブストーリーを書いてほしかった」という意見も多く、通過には至りませんでした。ただ、「これだけのファンタジーが書けるのであれば、その世界を追求してみてもよいのでは」という意見もありました。
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