第二次選考あと一歩作品詳細

『花喰い』 鷹野 晶

 『花喰い』は、“魂喰い”となって不老の身体を得た男・桂木が、永遠の命を持て余しながら時を越えてさまよう姿と、その出会いを描いた連作小説。
 「古典の名作の引用や、連作小説にするなどの工夫がよい」、「桂木という男の、幻想的で魅惑的なキャラクターがよく考えられている」、「品のよさが漂う小説」等、物語の世界観と作品の持つ雰囲気には高い評価が集まりました。
 いっぽう、「桂木以外の人物の存在感が希薄」、「展開はうまいが、なぜか話が印象に残らない」等、読みごたえや印象深さに欠ける点を指摘する声もあり、通過には至りませんでした。また、「欲を言えば、作中で触れられている夏目漱石の『夢十夜』にならって、十篇あるとおもしろかった」という意見もありました。

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