第二次選考あと一歩作品詳細

『アテナの記憶』 城原 なつき

 『アテナの記憶』は、記憶を失ったヒロイン・みなみと、ある事件を追ってホストクラブに潜入捜査していた刑事・誠のふたりが、共同生活をしながら真実を突きとめるサスペンスストーリー。
 「みなみがなぜ記憶喪失になったのかなどの謎が気になり、物語の世界に早くから引き込まれた」、「少しずつ事態が明らかになるさまにひきつけられた」など、先が読めない展開を楽しんだ選考委員が多くいました。また、「賢く行動的なみなみと、落ち着いていて男らしい誠のコンビが絶妙」と、ふたりの描き方を評価する声もありました。
 反面、「刑事もののような印象で、恋愛の要素が少なく、ラブストーリーとしては物足りなさを感じた」、「語り手の人称が混乱していて読みにくい」等、恋愛小説としてはいまひとつとの声も多く、通過には至りませんでした。
 着想点、アイデア力は高く評価できるので、文章力や構成力をつけるためには、今後は自分の作品を客観的に分析することが必要、との意見もありました。

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