第一次選考通過作品詳細

『ランドリーより愛をこめて』 三村真喜子

 岡崎陽子は、34歳のブライダルプランナー。結婚を間近に控え、幸せいっぱいな人生を歩むかに思われたが、ある日突然、婚約者の哲司から婚約破棄を申し入れられる。そのうえ、洗濯機まで壊れ、コインランドリー通いを余儀なくされるはめに。そんな、人生ドン底の陽子の前に突然現れる、関西弁のアフロヘアー男子。コインランドリーの乾燥機のなかから出現し、言うに事欠いて、「なんでもひとつ、願いをかなえてやる」。なんと男は、悪魔だった。なかなか願いが思いつかない陽子だったが、ある日、哲司が自分の同僚の千夏と結婚するという事実を知り、怒りにまかせて「あのふたりを殺して」とお願いしてしまう。しかし悪魔がかなえられるお願いはひとつだけ。「なら、どっちを殺すかはおれに任せてもらう」。陽子の前から姿を消す悪魔。やきもきしながら結果を待っていた陽子は、じつは千夏が妊娠していることを知ってしまう。悪魔への願いを取り下げようにも、悪魔はなかなか姿を現わさない……。陽子の願いは、はたしてかなってしまうのか!?


評価・感想

 会話の運びがとても自然で、物語世界にすんなりと入ることができます。一気読みでした。地の文と会話をいかに配分していくか、というバランス感覚がとても優れているのだと思います。

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