第二次選考あと一歩作品詳細

『やきもちは棚にしまって』 平原 ことは

 『やきもちは棚にしまって』は、海の事故で亡くなった和也という男性をキーに、かつて彼と付き合っていたことのある青森在住の主婦・美穂と浦和在住の主婦・奈美のいまを描いたラブストーリー。
 「ひとつひとつのシーンに臨場感がある」、「ところどころクスッと笑える文章が魅力的」、「美穂と奈美のふたつの物語が、スムーズに伝わる」と、その文章力に高い評価が集まりました。
 いっぽう、美穂と奈美の話が最後までつながらない点に関しては、「遠い地に住むふたりの女性が同じ男を愛していたという設定がまったく効いていない。キーとなる焼肉屋の割引券も意味をなしていない」、「和也という男をめぐるほろ苦いふたつの恋物語はいずれも説得力のある文章で描かれているのだが、何か物足りない」等、構成を問題視する意見も多く、通過には至りませんでした。

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