第一次選考通過作品詳細
『硝子のラビリンス 』 村田 真奈美
拓海が開く喫茶店に、ある朝、女子高生の彩加が訪れる。その日から、ふたりは学校が始まる前のひとときを一緒に過ごすようになる。毎朝、コーヒーを飲みながら、彩加と話すうちに、拓海はだんだんと危うい魅力をたたえた彼女に興味を抱くようになる。
選評
最初は、「悲しい過去を持った少女が、兄みたいな頼れる存在の男性と結ばれるまでを描いた話だろう」くらいに思っていた。けれど、違った。ずいぶんと大胆 に期待を裏切ってくれた。いい意味で。恋愛って本当に十人十色で、いろんなパターンがあって、理解できるものからできないものまで、さまざまだ。だから、 恋愛小説にも古今東西いろんなテーマが描かれている。もう出尽くしただろうってくらいに。だけど、今作はちょっと新しいな、と思った。新鮮だった。じつは 気付かないだけで、自分の身の回りにも、こういう恋愛をしている人が大勢いるのかもしれないな、と思えたのだ。
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