受賞作品詳細
第1回 日本ラブストーリー大賞 大賞受賞作
『カフーを待ちわびて』/著者:原田 マハ
舞台は沖縄の離島・与那喜島。雑貨商を営みながら淡々と暮らしている友寄明青(35)は、ある日、「幸」と名乗る女性から思いがけない手紙を受け取る。明青が旅先の神社に、ほんの遊び心で残した絵馬の言葉、「嫁に来ないか」を見て、結婚したいというのだ。そして3週間後、幸が現れ、明青の家に住み込んでしまう。戸惑いながらも、溌溂とした幸に思いをつのらせる明青。折しも島では、リゾート開発計画が持ち上がっていた。明青は反対する少数派のひとりだったが、幸が一緒なら新しい生活に飛び込んでいけると思い、一大決心をする。しかし幸には、明青に打ち明けていない秘密があった……。
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第1回 日本ラブストーリー大賞 審査員絶賛賞受賞作
『SWITCH』/著者:さとう さくら
主人公苫子はフリーターで、処女。他人と上手くコミュニケーションをとることができず、簡単なバイトさえもクビになる始末。嫌なことがあるたびに、自分の首の後ろを押す。彼女のイメージの中では、そこに人間を消すことができるスイッチがあって、そこを押せば自分は消えていなくなることができるのだ。 そんな彼女がバイトを変えたことで、いろいろな人に出会う。みなどこかズレていて、アンバランスな人ばかり。最初は何となく距離を置いていた苫子と彼らだが、徐々に近づき、お互いに影響しあう。といっても、劇的な何かが起こるわけではなく、あくまでも消極的に、静かに、ジンワリと変化はやってくる。物語の最後、苫子は処女ではなくなり、サル男という好きな男もできた。周りの人とも自分から連絡を取り、すべてが上手くいかなくても、繋がりを自分から保とうとする。変化はそれだけ。だが、苫子にとっての世界は大きく変わりはじめていた。
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