第一次選考通過作品詳細
『靴とアモーレ』 H.N.カー
理想の男と結婚したヒロイン。だが、そのとたん、夫はくさくてダサいニッポンのオヤジに変身。幸せをとりもどすため、ヒロインは気学、霊感占い、前世占い、風水、水晶パワーなど手当たり次第にハマッていく。だが、最後にヒロインはそのさなかに忘れていた夫への愛を思い出し、ハッピーエンドをむかえる。
選評:ボブ内藤
イタリア好きの主人公の女性が、理想の男性と結婚。ところが、その男性は夫になると同時にダサくてくさいニッポンのオヤジに変身。主人公は、気学に霊感占い、前世占い、風水、水晶パワーなどなど、手当たり次第に占いにハマっていく……。そのハマりっぷりが面白い。読む者は主人公とともに「不幸せな地獄めぐり」をする。主人公とともに夫婦生活に不満や不安をかかえる同級生たち、そして怪しい占い師たち、ラストに登場して場面をさらっていくミスター・ウー。脇役たちにも魅力がある。ただ惜しむべきは、この「不幸せな地獄めぐり」が少々薄味なところと、ラストのハッピーエンドに強引さが見られる点。
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