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『珍獣の諸々 』 沢木 いっちゃん
男子学生率99.9%、超低偏差値の男の花園「極楽大学」。受験に失敗し極楽大入学を余儀なくされた加藤淳は、約2000人の男子の目にさらされながら 「珍獣」として生きる、地獄のキャンパスライフを送るハメになる。同級生の女子はほかに5人だけ。鉄の結束で男だらけの戦場を生き抜く淳だちだったが、恋 が彼女たちの邪魔をする。「同じ男を好きになったら両者が手を引く」。この不文律が破られたとき、女同士のドロドロバトルが開戦する! 彼女たちは無事 に、4年間の大学生活を終えることができるのか!?
選評
まず、キャラクターの造形が見事です。まじめな格好をしつつ実はオヤジ転がしの遊び人・加藤淳をはじめ、整形美人の関西人・真弓都、女として少林寺拳法部をしきる超体育会系の後藤先輩など、魅力的な人物を多数登場させることで、作品に華を持たせることに成功しています。
また、くすぐりの利いた細かなエピソードの積み重ねは、読者を飽きさせない工夫として効果的。とくに淳ら新入生たちが、先輩たち(女)との飲み会で泥酔す るシーンは爆笑必至。いろんな酒のチャンポンに柳川鍋用のドジョウを泳がせた「極楽カクテル」など、細部にこだわった技の数々にうなりました。
残念なのは、後半勢いが失速する点。飲み会のシーン同様のくだらなさで濃厚に突っ走ってくれていたら、より上質な学園コメディに仕上がっていたと思います。